インド産銀河の美しい和型墓石。約10㎡の広いお墓、久喜市寺院墓地にて

埼玉県久喜市にて、お墓・石材のお仕事をさせていただいております、木村石材店 石原です。久喜市寺院墓地にて、約10㎡の広い敷地にインド産銀河の美しい和型墓石を建立させていただきましたので、ご紹介いたします!

 

久喜市寺院墓地 約10㎡ 石塔:インド産銀河 外柵:カンボジア614

 

今回は、久喜市内のお寺様墓地でのお墓の建立です。お施主様は地元の名士の方で、以前から弊社のことはご存じだったそうで、お声かけくださいました。

 

こちらがお墓を建てる場所です。数年前に確保されていました。一般の墓地の4つ分の広さがある約10㎡の墓地です。

 

お話を伺って、まずはたたき台となる図面を作成してご提案させていただきました。シンプルなものから重厚感のある石塔、親柱のある外柵など数種類の図面をご用意すると、シンプルなものを気に入っていただいたので、その後はシンプルなデザインで数回ご提案し、何度かやり取りさせていただいてこちらの最終的な図面に決定しました。ご希望の和型墓石で、広い敷地でも草取りの手間がなく、お掃除しやすい石貼りのお墓です。

 

工事が始まりました。土を掘り下げた後、杭打ちの穴を開けたところです。今回は広い墓地でしっかりした地盤を作る必要があり、杭打ちをして地盤を補強することにしました。

 

開けた穴に杭を入れて、杭打ち機で樹脂杭を打ち込んでいます。

 

ある程度打ち込んで硬いところまで到達したら、地盤強化は完了です。このあとは、通常の基礎工事に入ります。割りグリを入れて転圧します。

 

転圧したあとは型枠を組み、配筋してコンクリートを流し込む準備をします。周りに敷いている白いシートは養生のためのものです。コンクリートが飛び散って周りを汚さないよう作業します。

 

生コンクリートを流し込みます。今回はとても広い墓地でコンクリートも大量に必要でしたので、生コン車とポンプ車を入れて行いました。表面をきれいにならして2週間ほどしっかり養生し、基礎が完成したら石の据え付けに入ります。

 

完成した基礎の上に、石の据え付けが始まりました。こちらはお墓の向かって右側の袖石を据えるところです。セメント用のボンドを表面に塗って準備したら、長い袖石の入り口側にピンを入れました。この上に袖石を貫通させて、地震などの揺れでずれないようにします。親柱など支えるものがない構造なので、大きな揺れでもできる限りずれないように施工しました。

 

左側の外柵を設置しています。2種類のボンドを使って接着しています。がっちり固まるボンドだけでは地震の揺れで外れてしまうこともありますが、粘着性のある耐震のコーキング剤を併用することでそれを防ぐことができます。それぞれのボンドの特徴を考えて、研究しながら使用しています。

 

お墓の中央から左側を見ているところです。石と石、石と基礎コンクリートは接着した上、さらにL字のアンカーで固定します。

 

向かって左側、カロートの左脇です。この上に石貼りをして仕上げます。その下に、支えとなるコンクリートの受け石を設置しているところです。この部分は砂利を入れて水や湿気が溜まらないようにして仕上げますが、受け石がないと板石が沈み込んでしまう可能性もあります。

 

納骨室が完成し、両脇にも砂利を充填しました。

 

納骨室内はこのようになっています。奥の棚石の上にお骨壺を安置する形です。最低6個のお骨壺を置くことができます。

 

工場では、お墓の彫刻が進んでいます。左はゴムシートを貼って文字部分をカットし、彫刻の準備をしたところです。中央は彫刻を終えたところで、右は文字の色入れまで終えました。真言宗のお寺様で、周りのお墓にならってご家名の上に梵字を入れました。

 

現地では、貼り石が完了して外柵の羽目石や塔婆立も設置しました。この上にお墓本体を据えていきます。

 

納骨室の上に台座を据えて、さらに台を設置したら、棹石を設置します。この接着面もボンドを併用してたっぷり塗布し、免震パッド、耐震のステンレスピンを貫通させて設置します。

 

棹石を設置しました。石と石の継ぎ目の部分は、このあと目地をきれいに打つため、紫色の養生テープを貼っています。

 

入口部分には、大判の石も貼っています。できる限り大きな石を使用しているので、目地の継ぎ目がなく見た目もきれいで、より強度が高くなっています。こちらにも目地を入れたら完成です。

 

全体に目地を打って入口手前に砂利を敷いたら、お墓の完成です。シンプルなスッキリしたデザインで、より広々としたお墓に感じられます。

 

石塔は、インド産の銀河という青御影石を使用しました。「銀河」という名の通り粒が小さく細やかで、とてもきれいな石です。黒っぽい色ではなく明るめの石がお好みでしたので、石見本を見ていただいてお選びになりました。高級感のある落ち着いた印象に仕上がりました。

 

お墓の右手に墓誌を設置しました。お参りされる方に見やすい角度になっています。斜めにすることで、手前に向かって水勾配を取っている石貼り部分に水が溜まらないようにする効果もあります。

 

右側の腰石と羽目です。上品な柔らかい曲線をあしらいました。角張ったものより丸みのある柔らかいものがいいとご希望でしたので、ご提案して気に入っていただいたデザインです。全体の高級感のある雰囲気を引き立てています。

 

完成後はご納骨のお手伝いもさせていただきました。お墓をご覧になったお客様は「納得した!」とおっしゃって、とてもご満足いただけたご様子でした。お客様は尊敬する地元の経営者の方なので、実はお会いするたびに緊張していたのですが、お墓のことやお寺のことなど分からないことはきちんとおっしゃってくださって、若輩者の私の話もしっかり聞いてくださるなど、お人柄にも改めて感銘を受けました。いいお墓になるように、自分の持っている知識をすべてお伝えして培った技術を活かし、精一杯お手伝いをさせていただきましたので、参列されたご親族様が「いいお墓だね」と褒めてくださるととても嬉しそうにされているのを拝見して、私もとても嬉しかったです。改めましてこのたびは、弊社にお墓作りのお手伝いをさせていただきまして誠にありがとうございました。私どもで何かお役に立てることでしたら、またお気軽にお声かけくださいませ。