お好きだった鳥を彫刻したインド産アーバングレーの洋型墓石を建立。久喜市寺院墓地

埼玉県久喜市にて、お墓・石材のお仕事をさせていただいております、木村石材店 石原です。久喜市寺院墓地にて、故人様のお好きだった鳥を彫刻したインド産アーバングレーの洋型墓石を建立させていただきましたので、ご紹介いたします。

 

久喜市寺院墓地 石塔新規建立 石塔:インド産アーバングレー

 

7,8年前に外柵を施工させていただいたお客様から、ご家族様が亡くなり、石塔の建立をしたいとご連絡をいただきました。奥様とその息子様お二人でお越し下さいました。

 

こちらが工事前のようすです。奥にある板石の下が納骨室で、今回はこの上に新しい石塔を建立します。お墓についてのご希望をうかがって、図面を作成してご提案しました。

 

ご提案した図面です。洋型のお墓をご希望で、正面に「鳥のイラストを彫刻したい」ということもご希望でした。亡くなったご主人様が鳥がお好きだったそうで、彫刻の内容も念入りにお打ち合わせをさせていただいて、工事に入りました。

 

工事が始まりました。まずは、外柵の清掃から開始です。納骨室の上に板石を取り外したところです。数年経っていますが中はきれいな状態でした。土間の敷石は黒い汚れが見られます。

 

敷石を洗浄しているところです。奥の敷石は洗浄が終わった箇所で、黒い汚れが落ちてずいぶんきれいになりました。これから手前側の敷石を洗浄します。

 

墓石専用の洗剤で水洗いをしてこすり、汚れを落としていきます。外柵がきれいになったら、石塔を据える工事に入ります。

 

納骨室の上に、お墓の一番下の芝台を設置します。免震パッドと2色ボンド等を使って十分な地震対策を行っています。外柵や納骨室の洗浄後、水分が残っていると接着が弱くなってしまうので、完全に乾燥させることも重要です。

 

芝台を据え付けたあと、芝台の上に上台を設置します。ここでも同様の入念な地震対策をします。

 

上台の上に棹石を設置します。免震パッドとボンドを併用して、さらに2本の耐震棒でしっかり固定します。

 

上から見たところです。親指くらいの太さのあるステンレスの耐震棒で、棹石の底面に貫通させて、ボンドで接着して固定します。2本取り付けているので、横揺れで棹石が回転することも防ぐことができます。

 

きれいになった外柵に、新しい石塔が完成です。石塔にはインド産のアーバングレーを使用しています。アーバングレーは落ち着いた色合いの青御影石で、水を吸い辛いため耐久性が高く、安定して採れるという点でも自信を持っておすすめできる石です。インド産の中では比較的お求めやすい点も人気の理由です。

 

お客様のご希望だった鳥のイラストは、中央のご家名の上に配置しました。お客様がお持ちくださったイラストをもとに彫刻用に手直しし、配置や大きさなども細かくお打ち合わせをさせていただきました。左はコウノトリで、右側は当初は鳥が好きな植物にしようかと悩まれていましたが、最終的にはどちらにも鳥のイラストを入れることになりました。ご家名と同じ白色を入れて仕上げています。

 

お墓のデザインはシンプルですが、棹石は正面に額加工をして、香炉も同じような加工で統一感が感じられるデザインです。花立や水鉢は前面に緩やかに丸みがあり、棹石や香炉にも少し丸みを持たせたことで、全体に柔らかみのあるあたたかい雰囲気に仕上がっています。墓誌はなく、棹石の右側面にご戒名を彫刻しました。

 

外柵は以前のままですが、洗浄で汚れを落としています。亡くなったご主人様からのご依頼で先代の父がお手伝いさせていただいたもので、左の門柱は家紋、右にはご家名が入ったプレートが設置されています。中央は格子状のすべり止め加工が施されています。お墓の後方のお掃除などで敷石部分に登るときは、左右の段差を利用する形です。

 

ご納骨のお手伝いもさせていただきました。ご希望だった鳥の彫刻はとても喜んでいただけました!後日お寺様から伺ったお話でも、嬉しそうにお墓のことを話して下さっていたそうです^^ 落ち着いた色合いのアーバングレーも、「この石にしてよかった」と気に入っていただけたご様子でした。このたびはご主人様のお墓の建立をお手伝いさせていただき、ありがとうございました。ご家族様のお気持ちに寄り添ったお手伝いができておりましたら幸いです。何かお困りの際には、いつでもご連絡くださいませ。

ご主人様はご生前、私が作業をしているのを見かけると、「がんばってる?」「気を付けてね」といつも優しい言葉をかけて下さいました。色々なお話もさせていただきましたし、私自身もとても寂しいです。本当にありがとうございました。このたび建立に携われたご縁に感謝して、心を込めてお手伝いさせていただきました。どうぞ安らかにお眠りください。