久喜市寺院墓地にて、インド産M1Hの洋型墓石を建立

埼玉県久喜市にて、お墓・石材のお仕事をさせていただいております、木村石材店 石原です。久喜市寺院墓地にて、15年ほど前に作成した外柵に、インド産M1Hの石塔を建立させていただきました!

 

久喜市寺院墓地 石塔建立 インド産M1H

 

14,5年前に外柵のみを作らせていただいたお客様からご連絡をいただいて、石塔を建立するご依頼をいただきました。このたびご家族様が亡くなり、お墓を建てることになったそうです。

 

こちらが既存の外柵です。父の代に作らせていただいたもので、目地の劣化などが少し見られました。門柱にはご家名と家紋が入っています。

 

ご提案した図面です。外柵をお作りいただいた当時のカラー図面が残っていたので、そこに石塔を設置したものを追加してご覧いただきました。お客様のご希望で洋型とし、石はインド産のアーバングレーも気に入られていましたが、最終的には同じインド産のM1Hをお選びいただきました。また、将来は娘さまお二人でお墓を見ていくことになるので、どなたが継がれても支障のないように正面は家名を入れないようにしたいとのことでした。芝台と拝石も新しいものに交換します。

 

工場での彫刻の様子です。正面は「想」の一文字です。書体は、ご提案した何種類かの中からお選びいただきました。ゴムシートを貼って彫刻部分をカットし、彫刻作業を終えたところです。

 

背面の右側に亡くなられた方のご戒名を彫刻し、左側面には建立年月と建立者の方のお名前を彫刻しました。

 

彫刻を終えたらゴムシートや養生シートを取り外して、きれいに拭き上げます。文字の大きさやバランスはご提案を採用していただき、色は入れない方向になりました。濃い色合いの石なので、色を入れなくてもきれいに仕上がることをお話しして、事例なども見ていただいて決まりました。

 

背面と左側面です。細かい文字も色を入れなくてもコントラストがあって読み取りやすいです。M1Hは深い緑色が特徴で、ツヤも落ちにくく、硬さがあって吸水性も低い、品質のよい石です。

 

現地での石塔の据え付けの前に、砂利の入れ替えと目地の打ち直しを行いました。15年ほど経っていますので、ちょうどよいタイミングでした。

 

階段部分です。古い目地材は取り除いて、きれいに打ち直します。

 

養生テープを貼って、目地を打つ準備をしました。しっかり深く、きれいに目地を打つためのテープです。

 

外柵後方の羽目石、手前の親柱との接着面など、しっかり目地材を充填しました。

 

入り口階段部分もきれいに打ち直しました。目地の劣化も進んでいたので、この機会にきれいになってまた気持ちよくお参りいただけます。

 

古い芝台を取り外し、カロートの天面についていた汚れをスクレイパーで落としています。以前はセメントで接着されていましたが、新しい芝台は耐震ボンドを使って据えます。その際、表面がきれいになっていないとしっかり接着しないので、残ったセメントをきれいに取り除いているところです。

 

きれいに整える作業が終わったら、いよいよ石塔の据え付けに入ります。きれいになったカロートの上に芝台を据えて、手前には拝石を据えました。

 

芝台の上に、耐震ボンドと免震パッドを使って台座をのせます。ボンドはたっぷり塗布してしっかり接着します。

 

耐震棒を2本取り付けて、棹石の底面に空いた穴にこの棒を差し込んで棹石を据えます。1本では地震などの揺れで回転してしまうこともあるので、左右に2本取り付けます。

 

棹石を据えて、花立や香炉なども設置したら砂利を入れてお墓が完成しました!

 

すっきりしたデザインの洋型墓石です。弊社の展示場の入口近くに展示しているタイプで、緩やかに丸みを持たせたオーソドックスな形の洋型墓石です。シンプルながらも柔らかさがあるので人気のデザインです。

 

ご納骨のお手伝いもさせていただきました。お客様には、お墓の仕上がり、文字彫刻の出来などすべて気に入っていただけたようで、M1Hについても「この色にしてよかったね!」と喜んでいただけました。当日は、お二人の娘さまやお孫さんなど15名くらいの方が参列された納骨式で、にぎやかで和やかなお式でした。お墓の前で皆様で記念撮影をされたときはカメラマンをさせていただいたのですが、とても仲良く素敵なご家族だなあと暖かい気持ちにさせていただきました^^ このたびは、外柵の作成に続いて弊社に石塔の建立をお任せいただきまして、ありがとうございました。どうぞこれからも皆様仲良く、末永くお参りくださいませ。何かお困りの際はまたお気軽にご連絡ください。

今回は、ご家族のどなたでも問題なく継いでいけるお墓を建立した事例でした。嫁がれた娘さまでも継げるように家名を入れないお墓にしたいというご要望は近年増えています。家名以外を彫刻するケースでは、和型の場合は宗教的な文言のほか、先祖代々といった言葉を選ばれることが多いようです。洋型の場合も宗教的な文言を選ばれることもありますが、お好きな言葉や文字をバランスよく配置したお墓も多いです。(ただし、お寺や墓地の決まりによって、継ぐ方を制限している場合もありますので、必ず事前に墓地の管理者様に確認をする必要があります。)将来を考えて、どんなお墓にしたらいいのか、ご一緒に考えてご提案いたしますので、ご興味のある方は一度お気軽にご相談ください。