インド産M1Hとカンボジア産ホワイトクメールを使った、お手入れしやすい和型墓石。久喜市寺院墓地

埼玉県久喜市にて、お墓・石材のお仕事をさせていただいております、木村石材店 石原です。久喜市寺院墓地にて、インド産M1Hとカンボジア産ホワイトクメールを使った、お手入れしやすい和型墓石を建立させていただきましたので、ご紹介いたします!

 

久喜市寺院墓地 新規建墓 石塔:インド産M1H 外柵:カンボジア産ホワイトクメール

 

ご家族様を亡くされ、お墓を建てたいというお客様がご来店くださいました。後で伺ったのですが、ご親族様のお墓を先代が建立させていただいており、ご来店くださったそうです。亡くなられたのはお父様で、お越しくださったのはその娘様でした。墓地は久喜市内のお寺様にずいぶん前からお持ちで、ご希望をうかがってまずは図面を作成してご提案させていただきました。

 

ご提案図面です。伝統的な和型墓石です。お客様のご希望は、花立と水鉢を一体型にして、石塔にはスリンを設けず、お掃除のしやすいお墓にすることでした。また、塔婆立ては笠をつけること、墓誌は設けずにお名前等は石塔に刻むこと、香炉は屋根型ではなくシンプルなかまくら型にすることなど、細かい点もご希望をいただきました。将来はご姉妹でお墓を継ぐことになるため、ゆくゆくは姓の違う方も納骨ができるよう、正面文字は家名を入れず、門柱の表札も一方のみにご家名を入れることになりました。

 

工事の様子です。根切りをして、基礎コンクリートを打つ準備をしています。

 

今回は、地盤強化のために杭を打つことにしました。地元のお寺様の墓地ですので、ある程度は墓地の地盤の状況も把握していますが、今回は根切りをしている段階で予想よりも地盤が少し柔らかいと感じたため、急遽杭を打って補強することにしました。地面を掘り下げ、杭を打つための穴を開けているところです。

 

杭打ち機を使って、先ほどの穴に印の樹脂杭を打ち込んでいきます。

 

敷地の四隅に杭打ちが完了しました。下の固い地盤まで杭を打ち込むことで、基礎の沈みや傾きを防ぎます。

 

杭打ちが完了したら、割りグリを入れて地盤を固め、鉄筋を組んでコンクリートを流し込む準備をしました。

 

生コンクリートを流し込み、バイブレーターで振動を与え、コンクリートの中の空気を取り除きます。こうすることで、完成した基礎の強度が上がります。このあと表面をきれいにならし、しばらく養生して基礎が完成します。

 

基礎が完成しました。表面はなめらかできれいに仕上がっています。中央は納骨室の底にあたる場所で、お骨がいっぱいになったらここから土に還すことができます。左右の穴は水抜き穴です。

 

基礎の上に石の据え付けが始まりました。外柵の壁石と手前の踏み石部分を設置したところです。

 

左手前の門柱の裏側です。印のように、たっぷりのボンドを使ってしっかり接着します。お墓の耐震施工には、使用するボンドの種類と量がとても重要です。

 

外柵が仕上がってきました。手前の門柱の穴は、これから表札を入れる場所です。

 

角の部分は、耐震ボンドで接着して、さらにL字の耐震金具でしっかり固定しています。石と基礎も固定して、万一の地震などによるズレを防ぎます。

 

向かって右側です。印の場所にこれから外柵の羽目石を設置します。ボンドで接着しますが、お隣と密着している墓地で外側から目地を打つことができないので、あらかじめコーキング剤を塗布しておいて、羽目石を設置していきます。

 

工事が進んで、納骨室も完成しました。塔婆立てはこのあと笠を設置します。

 

こちらは工場での彫刻の様子です。正面文字は、ご家名を入れずに「先祖代々之墓」としました。通常弊社では、楷書・行書・隷書の3通りをご提案してお選びいただいています。左はゴムシートをカットして彫刻の準備をしたところで、右が彫刻を終えたところです。

 

棹石の背面は、建立年月とお施主様のお名前を彫刻しています。弊社のすべての彫刻は、私が責任もって行っています。

 

こちらは表札です。石塔部分と同じ石を使っています。

 

現地でのお墓の据え付けが始まりました。下台の上に上台を据えています。耐震ボンドと耐震のゴムシートを使って据えていきます。中央には耐震棒を取り付けて、棹石に貫通させてしっかり固定します。

 

棹石を設置、花立や香炉などを置いて、完成です。

 

ご希望通りスリンがないすっきりした設計で、一体型の花立と水鉢も隙間がないのでお掃除のしやすい形状です。香炉にはステンレスの香皿を入れています。

石塔には、インド産のM1Hという濃い緑色の石を使っています。M1Hは硬くて水を吸いにくく、経年でツヤが落ちにくい品質の良い石で、私も自信を持ってお勧めできる石のひとつです。濃い色合いなので、色を入れなくても彫刻がきれいに映えるのも特徴です。

 

お墓の左右には五色の砂利を入れて仕上げました。手前の踏み石は格子状のデザインのすべり止めになっています。表札はご希望通り、片方のみお名前を入れました。

 

ご納骨は1周忌になさるとのことで、完成後お引き渡しのみさせていただきました。お客様は、「図面で見ていたよりもすごい!」ととても喜んでくださって、「こんなにすごいものができるなんて」とびっくりされていました。このたびは、弊社にお墓作りをご相談いただきまして、ありがとうございました。お墓の完成をとても喜んでいただくことができて、本当にうれしく思っております。また、弊社をご紹介くださったご親族様にも改めてお礼申し上げます。今後ともどうぞ末永くよろしくお願いいたします。

今回のお客様は、父の代にご親族様のお墓の建立をお手伝いしたことがご縁で、弊社にご来店くださいました。当時のご対応や仕事ぶりを評価いただけていたのだなととてもありがたく感じましたし、これからもお声かけ頂けたことに感謝して、1基1基心を込めて一生懸命に取り組んでいこうと、改めて気が引き締まりました!ありがとうございました。