久喜市寺院墓地にて、約70cm四方のコンパクトなお墓を建立

埼玉県久喜市にて、お墓・石材のお仕事をさせていただいております、木村石材店 石原です。久喜市寺院墓地にて、約70cm四方とコンパクトながら地震に強いお墓を建立させていただきましたので、ご紹介いたします。

 

久喜市寺院墓地 お墓建立 中国産緑雲石

 

知人からの紹介で、久喜市内のお寺様でお墓の建立をさせていただきました。墓地はすでに購入されていて、初めはお店にお越し下さいました。1周忌に納骨をしたいのでそれまでに建ててほしいと、納期の3か月ほど前に初めてお会いしました。どんなお墓を建てたいかということはご紹介者の方が事前に詳しく聞いてくださっていたので、お会いして作成した図面を提出してOKをいただき、すぐにお墓工事に入りました。

 

工事が始まっています。今回お墓を建てる場所は、2尺3寸角(約70cm四方)とコンパクトな敷地でした。ベタ基礎を打って仕上がったところです。中央の丸い穴は、コンクリートを打たずに土のままにしています。将来納骨室のご遺骨がいっぱいになったら、ここに還すことができます。

 

こちらは工場でのようすです。石が仕上がったので、これから彫刻をしていきます。こちらはお墓の上台です。

 

正面に家紋を彫刻します。原稿を転写したゴムシートを石に貼りつけ、彫刻する部分を切りぬいたところです。切り抜いた部分を彫刻することになります。

 

彫刻する部分以外は養生しました。「サンドブラスト」という方法で、砂のような粒子を吹き付けて彫刻を行うので、飛び散って傷がつかないようにしておきます。

 

サンドブラストを終えたところです。彫刻した場所が少しくぼんでいるのが分かります。サンドブラストは、ガラスなどに模様をつけるのにも使う技術です。

 

彫刻が終わったら白色を入れました。お墓の石の彫刻は、このようにして行っています。

 

同様に、棹石の正面も彫刻を行いました。今回はご希望で家名の上に梵字を彫刻します。

 

花立です。お客様のご希望でスイセンの花を彫刻しました。これまでの彫刻例の中からお選びいただいたものです。すべて白色を入れて仕上げ、工場での作業が終了、現地での設置工事に戻ります。

 

お墓の台座部分を兼ねた納骨室の壁を据えています。形の決まりはありませんが、1辺が70cmとコンパクトな敷地でもできるだけたくさんのご遺骨を納めることができるお墓にするため、壁石真ん中のくぼみには棚板を設置します。印は中に湿気が溜まらないようにするための空気口です。

 

横からみたところです。中に棚石を設置して、壁石の上にこれから天板を据えるため、耐震ボンドを塗って準備しています。かなりたっぷり塗っているように見えるかもしれませんが、地震に強いお墓にするためにはとても重要なところです。

 

天板を設置しました。左側に見える四つの穴は、塔婆を立てる穴です。ひとつ前のお写真を見ると分かりますが、側面と後方の壁石をうまくずらして設置しているので、塔婆を差し込めるようになっています。側面の表面は、ご希望で額出し加工として高級感ある仕上がりになっています。

 

納骨室内です。下の段は清浄な砂を敷きつめて仕上げます。

 

天板の上に下台・上台を設置して、その上に棹石を据えています。中央に見えるのがステンレス製の耐震ピンで、台石と棹石を貫いているので地震などの揺れに強くなります。さらに3種類の耐震ボンドや免震パッドを組み合わせて、昨今増えている地震によるお墓の倒壊も防げるように注意を払って施工します。

 

棹石を設置、目地を打って完成です。

 

お墓の形やバランスは周囲と調和するようにしました。スイセンの花や家紋の彫刻などはすべてお客様のご希望を叶えています。左側面は建立年月と建立者の方のお名前を彫刻しました。後方の塔婆立ては宝珠型で、この柱も棹石と同じように耐震ピンを入れて固定しています。

 

納骨室の蓋石を兼ねた前壁部分に、仏様のご戒名を彫刻しています。高さなども周りとのバランスよく仕上がっています。

 

今回は、コンパクトなお墓の施工例でした。実はこのくらいのサイズのお墓であれば、職人の人数にもよりますが、時間としては一日あれば設置できるのですが、今回は納骨室部分までとそれ以外の部分と、あえて二日に分けて設置しました。セメントやボンドがしっかりと固まる前に上に重い石碑部分を乗せてしまうと、将来お墓が傾いたりずれたりする原因になりかねません。一日経ってしっかり固まってから続きを行うことで、できるだけ安心して長くお参りいただけるお墓になるように、時間や労力はかかりますが安全性や耐久性を考えて施工しました。いつも通りにしっかり工事をさせていただきましたので、末永く安心してお参りいただければ嬉しい限りです。