久喜市寺院墓地にて、東京都文京区からのお墓のお引越し。将棋の駒型石碑も加工して移設

埼玉県久喜市にて、お墓・石材のお仕事をさせていただいております、木村石材店 石原です。東京都文京区にあるお寺様から、久喜市の寺院墓地へお墓を移設する改葬をお手伝いさせていただきましたので、ご紹介いたします!

※今回ご紹介するのは、東京都文京区でのお墓じまい、埼玉県久喜市での移設設置工事です。お墓じまいや改葬では、現在お墓がある市町村での手続きが必要です。文京区の場合はこちらを参考になさってください。

東京都文京区から埼玉県久喜市への移設・石塔クリーニング・外柵新規

今回のお客様は、ホームページをご覧になってお問い合わせをいただきました。久喜市にお住まいの方で、文京区にあるお墓を地元の近くに移したいというご相談でした。

移設前

こちらがご相談のお墓です。文京区のお寺様にありました。久喜市からは車で1時間ほどかかります。詳しくお話を伺うと、こちらのお墓には祖父母様が眠っておられ、このたびお父様が亡くなられたことをきっかけに、遠方のお墓ではなくご自宅の近くで供養していきたいとお考えになったそうです。実は、お客様のお父様もご生前から「お墓をどうしようか」とずっと悩まれていたそうで、今回、息子様であるお客様がその想いを引き継いでご相談くださいました。

 

また、こちらのお墓には特別な事情がありました。おじい様は将棋界でとても有名な方だったそうで、お墓があったお寺様にこのような将棋の駒の形をした立派な石碑が建てられていました。お客様はこの石碑も一緒に久喜へ持ってきたいとご希望で、お寺様ともお話されていました。

 

こちらが移設先となる、埼玉県久喜市の墓地です。ご希望としては、お墓本体と将棋の石碑を移設することでしたが、石碑は非常に大きくて厚みがあり(約5寸:15cmほど)、新しい墓地の敷地にそのまま設置するのはスペース的に難しいという課題がありました。そこで、少し工夫して設置できるようご提案しました。

 

ご提案図です。新しく外柵を作成し、お墓本体を中央に設置、墓誌は新しく新設します。将棋の石碑は、石碑本体を薄くスライス加工して厚みを減らし、新しい敷地でもバランスよく配置できるようご提案させていただきました。最終的には墓誌と石碑の位置を逆にして完成となり、文京区のお寺様での解体・墓じまい工事、久喜市での外柵新設、石塔と石碑の移設設置工事をトータルでお任せいただくことになりました。

墓じまい工事

まずは文京区のお寺様でのお墓の取り外し工事です。お寺様で閉眼供養をしていただいてから、後日解体に入りました。まずご遺骨の取り出しを行ってから、お墓を上から順に取り外し、芝台まで取り外したところです。移設後また設置しますので、傷つけたりしないよう慎重に解体しました。取り外したお墓は工場へ持ち帰ります。

 

お墓を取り外したら、その下の基礎も解体して更地に戻します。コンパクトなお墓でしたが、しっかりした基礎がありました。

基礎を取り除き、コンクリートガラなども取り除きます。

 

埋め戻して平らにならしたら、周りのお墓と同じように6号砕石を敷き詰めて、きれいに整地をしてお寺様にお返ししました。

 

将棋の駒の石碑も慎重に解体して搬出します。台座もとても大きなものです。仕上げにきれいな山砂を入れてならし、最後にお寺様へすべての工事が完了したことをお伝えしてご挨拶し、こちらでの工事は完了です。

 

移設先 外柵施工

移設先の久喜市の墓地では、まずは基礎工事から開始です。周辺を汚したりしないよう養生して工事開始です。

 

掘り下げた場所にグリ石を入れてしっかり転圧します。

 

配筋してコンクリートを流し込む準備をしました。中央の木枠の中は土のままで仕上げ、カロート(納骨室)の底の土残しになります。

 

コンクリートを流し込み、きれいに表面をならしたらしばらく養生します。冬場の施工でしたので、コンクリートを打設した後はしっかりと養生期間を置き、強度を高めました。

 

基礎が完成しました。石の据え付けに入ります。

 

外柵の石を順に据え付けていきます。石と石の接着面には、耐震ボンドとコーキングを併用し、見えなくなる部分もしっかりと耐震施工を行っています。

 

周りの囲い部分が組み上がってきました。中央がさきほどの「土残し」部分です。

納骨室が完成しました。中央にお骨壺を安置する棚石を設置して、周りはきれいな山砂を敷き詰めました。

 

カロート内の湿気を逃がすため、左右と後方の3か所に空気口を設けています。ステンレスのカバー付きなので、雨や虫などの侵入も防ぎます。

 

カロートの上に、天井となる石を据えます。ここでもボンドを十分に使い、隙間から光や水が入らないようしっかりコーキングで密閉します。

 

天板の上に墓誌の台座、羽目石を設置します。石と石の接着面は、ここでもボンドを併用してしっかり接着させます。

 

外柵が完成しました。左右の墓誌と石碑の台座が囲いを兼ねています。後方には立派な塔婆立も設置しました。久喜市周辺で使われる塔婆の高さは1.8mほどありますので、そうした高さのある塔婆もきちんと収まるサイズです。

 

石塔クリーニング~据え付け

こちらは文京区から持ち帰った石塔のクリーニングの様子です。昭和に建てられた歴史あるお墓ですので、長年の水垢や汚れが付着していました。文字彫刻の中も汚れで黒くなっています。

 

工場にてグラインダーなどを使用し、丁寧に汚れを落としてきれいにしていきます。棹石の下端についていたしつこい水垢をきれいにしています。

 

上台です。こちらも水垢が目立ち、花立や水鉢の周りは特に真っ黒になっていました。できる限り丁寧に汚れを落として、花立の交換なども行いました。

 

いよいよ、クリーニングと加工を終えた石塔と記念碑を、新しい墓所に据え付けていきます。カロート上の天板にボンド等を塗布し、設置準備をしました。

 

下台を設置して、さらにその上に上台を据えます。古いお墓なので、内側はゴツゴツしているところもあります。

 

石碑は台座に埋め込む形で設置します。ここでもボンドをたっぷり使用し、しっかり接着します。

 

完成

お墓の移設工事が完了しました!

向かって左側に将棋の駒型の石碑、右側に墓誌を配置しました。石碑は薄く加工したことで、限られた敷地内でも圧迫感なく、バランスよく収めることができました。

 

移設したお墓本体です。できる限りきれいにクリーニングして水垢を落としました。石自体はどうしても経年による変色はありますが、クリーニングをしたことで全体的な黒ずみが取れて、ずいぶん明るくなりました。

 

真っ黒だった花立と水鉢周りもできる限りきれいにしました。花立はもともとプラスチック製のものが入っていましたが、劣化していたためステンレス製のものに交換しました。

 

将棋の駒型の石碑です。本小松石の石碑で、汚れを落としたので小松石本来の色合いが感じられるようになりました。右側には詰将棋の盤面が彫刻されています。

 

裏面にも文字が刻まれていましたので、事前に拓本を取って、加工後に改めて彫り直しました。詰将棋の解答や、13回忌法要に建立されたものであることが記されていました。思いのこもった大切な石碑も、工夫して残すことができました。

 

右側には新しく墓誌も設置しました。石碑と対になる形で設置し、バランスよくすっきり収まっています。

 

完成のご報告をメールでお送りしたところ、お客様からは「図面で見ていた通り、想像通りの仕事をしてくれてありがとうございました」とお言葉をいただき、大変喜んでいただけました。この度は、数ある石材店の中から弊社にお墓の引っ越しをお任せいただきまして、誠にありがとうございました。親御様の代からの長年の懸案事項だったお墓の引っ越しが無事に完了し、ご納得いただける形になって本当によかったです。苦労した面もありましたが、大切なお墓や石碑を残すお手伝いができましたことを、大変光栄に感じております。ご納骨のお手伝いまでしっかりとサポートさせていただきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。